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こんにちは、ゆうゆう神辺居宅介護支援事業所です。

今回は、うれしい様なさみしい様ななんとも言えない気持ちになったエピソードをご紹介します。

 

そのご夫婦との出会いは今から6年前でした。包括支援センターからの依頼があり、担当をさせていただくこととなりました。奥さんはしんどい訴えが多く、日中の夫とのケンカ・夜間しんどくなっては救急車を呼ぶということが頻回にありました。初めは、奥さんのしんどい訴えをどうしてあげたら緩和してあげられるか色々と考えました。気持ちはしんどくなっても血圧などの数値は、さほど悪くなかったからです。夕方ほぼ毎日訪問し、血圧測定をし「大丈夫!」という声掛けを続けてみました。上手くいきかけた様だったので、小規模多機能に登録し、みんなで毎日支えるようにしてみましたが、上手くいきませんでした。居宅に変更し、まずは娘さんに近い存在になろうと思い、関係づくりに取り組みながら、同時にデイの利用を定着できるように取り組みました。

 

お二人は、喧嘩をよくされていた様ですが、ご主人は受診などの支援をしてくださっていたので、奥さんはとても頼りにされていたと思います。それから約2年ご主人の認知症状が気になり、ご家族は車の運転を辞めるように取り組まれました。運転については、事故などのリスクも増えていたことから私も賛成でした。しかし、奥さんの受診に行くこともできなくなり、ご主人はアルコールの量が増えていきました。徐々に娘さんへの暴言や物を投げるなどの行為が目立ち始め、娘さんの仕事にも支障が出始め、娘さんの心はもう限界になっておられました。変更申請し、日中夫婦でデイサービスの利用ができるようにし、日中アルコールを買いに行く時間を少なくすることに取り組みましたが、デイで落ち着きがなくなり、利用中に二人で帰ろうとされたり「どうして帰らせてくれないのか?」とスタッフに怒って気持ちをぶつけている光景も目にしました。私にできることは何なのか‥何かないのか考え、デイで帰りたくなる時間にカラオケにお誘いし、毎日カラオケルームで30分~1時間過ごし、お二人の18番の曲を見つけました。何曲かお好きな歌・歌いやすい歌を見つけ、デイにも協力をいただき、徐々に二人でカラオケを楽しめる時間を作ることで帰宅欲求を緩和していくことができました。しかし、認知症状は悪化していき、近所の方とトラブルがあったり、娘さんのところに歩いて行こうとし警察に保護されたり‥再び奥さんのしんどい訴えも増え、もう自宅での生活に限界を感じられ、ご家族は施設入所を決意されました。お二人同時に入居することが難しかったのでお一人づつの入居。でも二人で過ごす時間もできるように施設の方のご理解・協力をいただきました。そして、先日ついにお二人で同じ施設で過ごせることができるようになりました。しかし同時に担当から離れることとなりました。

 

娘さんが「お世話になりました」とご挨拶に来てくださり、しんどかった時期があったこと・気持ちをぶつけてしまった後悔の気持ち・担当でなくなることをさみしく思っていると涙ながらに話してくださいました。私がどこまでご家族の支えになれたかわかりませんが、担当を離れることをさみしいと言っていただき、私にはこれ以上のうれしい言葉はありません。

 

このご家族と出会い、精神的に人を支えるという事はとても難しい事だと痛感しました。大変なこともあったけれど担当させていただいて関わらせていただいたことは、自分にとって大切な経験『宝』になりました。施設に入られましたが、コロナでなかったら今までの様に毎月会いに行きたい気持ちです。これからも夫婦二人でいつまでも元気でいていただきたいです。

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